三陸で起こった津波の後に造られた三陸・野田村の防潮堤(十府ヶ浦海岸)の写真です。
野田村の海岸にある防潮堤は、T.P.(東京湾平均海面)+14m。海岸沿いに続く建造物はまるで現代の城壁のようです。
三陸海岸沿いを旅行すると鉄壁に見える新しい防潮堤ですが、数字からみても完全に守ってくれるものではないので勘違いしないことが大切な気がします。
鉄壁ではない防潮堤
東日本大震災後は、三陸に人々を守る巨大な防潮堤がどんどん整備されていきました。写真は新しく整備された岩手県九戸郡野田村の防潮堤です。
野田村は東日本大震災の津波で大きな被害を出した場所の一つですが、当時あった防潮堤も津波によって壊れ新たに巨大な防潮堤が整備されました
野田村に整備されたのはT.P.+14mの防潮堤。震災前の防潮堤高が10m(一部12m)だったので少し高くなりました。
私ははじめのうちは勝手に防潮堤は東日本大震災の津波の高さに耐えられるものと勘違いしていたのですが、実際には昭和三陸地震の13mの津波を想定しているそうです。
実際に野田村の防潮堤を見てみると・・・
新防潮堤が14mに対し、東日本大震災で起こった野田湾の津波の高さは21.4m。同じ規模の津波が起こる巨大な堤防も乗り越えるという事なんですね。
リスクと現実を考えて高さなどを決定しているのですが、100年に一度の津波は耐えられるかもしれないが、1000年に一度の津波には全然耐えられない、そんな感じなのです。
他のエリアの防潮堤を見ても、被災前よりは高さが上がっているものの、実際に起こった津波の高さより低い防潮堤が多いんです。
もちろん幅も広げるなどして波の衝撃により耐えられる設計になっているので、被害を抑えるという面では大幅に進化していると思いますけれどね。
高さや厚みがある巨大な防潮堤を見ると、鉄壁だと錯覚してしまいそうになるのですが、自然の力は簡単にそれを超えていってしまうんです。
旅行者である私たちも、防潮堤があるから大丈夫だろうと思わず、避難がとても重要ということをきちんと理解していないといけないんですよね。
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