木津川が台風などで増水すると橋桁と橋板(上の部分)が流される、面白い構造の橋が京都府にあります。この上津屋橋(流れ橋)を少しご紹介いたいと思います。
増水すると橋桁が流される面白い仕組みの流れ橋
木津川にかかる橋で時代劇にもよく使われる木造の橋があります。京都府八幡市と京都府久世郡久御山町を結んでいるその橋は、「流れ橋」とも呼ばれる上津屋橋です。時代劇でもロケに何度も使われている橋なので、時代劇が好きな方なら見たことがあるかもしれません。
この流れ橋は木造というレトロな雰囲気はもちろんのこと、橋の設計も大変面白く、木津川が増水したときは橋桁と橋板(上の部分)があえて流されるように設計されているんです。
その仕組みは橋の看板に解説が書いてありましたので、それを見ると一目瞭然で、橋の上部に通っているワイヤーロープが橋桁と橋板をつなぎ止めて、橋脚の上に乗せることができるようになっています。
橋の上に線みたいなものが通っていますが、これはワイヤーロープで、橋脚と結ばれており、橋桁と橋板を引き上げて橋桁の上に再び乗せられるようになっています。「流れ橋」の名前がしっくりくる面白い仕組みですね!
上津屋橋(流れ橋)は歩行者や自転車・二輪車しか通れません
全長356.5m、幅3.3mの上津屋橋(流れ橋)は、歩行者専用の橋です。一応自転車と二輪車も通行が可能ですが、押して歩く必要があります。
上津屋橋(流れ橋)は観光で立ち寄る人ももちろん多いのですが、生活道路として使われている橋です。手すりもない橋ですが、地元の人が犬を連れて散歩していたりと普通に利用もしているんですよ。
過去に20回以上流された橋
上津屋橋(流れ橋)は1953年(昭和28年)に架けらました。その作りや発想も面白く名橋と言われている橋ですが、近年の集中豪雨で橋桁が流れる頻度が上がっています。
例えば、2009、2011、2012、2013、2014年とほぼ毎年のように流出してしまい、2016年には全面改修が行われ少し流れにくい構造になりました。このときは撤去も考えられたようです。
しかし改修後も、2017年の台風21号、2019年の台風19号で流出。まぁ尋常ではない台風でしたが、2020年(令和2年)4月に復旧するまですでに23回目の流出をしています。
素晴らしい知恵でしたが、ゲリラ豪雨や強い台風が来るようになっているので、だんだんと時代にそぐわなくなってきているのかもしれませんね。
上津屋橋(流れ橋)の場所とクチコミ
大変面白い構造の橋なので、面白いと思った人は是非見に行って下さいね
コメントはありません