今のデジタルカメラにセンサーサイズがあるように、フィルムカメラの時代にもフィルムのサイズがいくつもありました。
このフィルムのサイズについて書いてみたいと思います。
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フィルムの大きさ
一般的な35mmサイズ、6cm前後フィルムを使った中盤カメラ、10cm以上のフィルムを使った大判カメラがありました。
フィルムに写される写真の情報は限られているので、情報量を増やすためにフィルムのサイズを大きくしたのです。フィルムのサイズを上げることで画素数を上げるという発想です。
一般的なカメラ〜35mm
中判カメラ〜6×4.5(ロクヨンゴ)、6×6(ロクロク)、6×7(ロクナナ)、6×9(ロクキュウ)
大判カメラ〜4×5(シノゴ)、8×10(エイトバイテン、バイテン)
と呼ばれるものがありました。
中判カメラのフィルムの大きさの単位はセンチメートルで、大判カメラの単位はインチなので、分かりにくいのですが、下の図を見て頂くと大きさの違いがよく分かると思います。
仕事によってフィルムの大きさを使い分けていた
フィルム時代は、プロの場合は仕事によってフィルムを使い分けていました。フィルムの大きさによって、機材の手軽さはもちろん、フィルム代や現像代などの費用が大きく違ったからです。
35mmフィルムの仕事
ロケへ行ってアクティブに動く仕事などは持ち運びがしやすく、数を撮ることが出来る35mmフィルムを使いました。報道やスポーツなども機動力が必要なので35mmを使っていました。
ただ、印刷に使った場合、35mmフィルムだと少し大きく使うと画質がとても悪かった。今のスキャン技術を使えばそうでもないのでしょうが、広告で画質が荒れるということは致命的でした。
中判のフィルムの仕事
広告などで、商品写真をカット的に使う場合や、モデル撮影をする場合などには、大きく使っても印刷に耐えられる情報量(画素数)を持ち、短時間に枚数も撮ることが出来る中判カメラを使いました。
中判カメラは、35mmに比べて情報量(画素数)が多い上に、フィルムがロール状になっているため、短時間の内に枚数も撮ることができたからです。また、大判のフィルムよりも費用も抑えられました。
大判のフィルムの仕事
商品のメインカットや車の商品写真など、とにかく綺麗に撮りたい場合は大判の4×5のフィルムがよく使われました。
撮るものをを作り込んで撮ることが多かったため、綺麗に印刷が出来る情報量(画素数)が欲しかったからです。
では、他のも4×5で撮ればと思いますが、1枚撮るたびにセットしなければいけないシートフィルムをっていたので、枚数を撮りたい場合には向いていませんでした。
ちなみに、一般的に売られていたフィルムでは一番大きなサイズの8×10サイズのフィルムは、ほとんど使われていませんでした。
実は一度だけ仕事で8×10を使って撮ってもらったことがあるのですが、フィルムで見る写真の迫力はすごかったものの、新聞や雑誌に印刷したものは4×5と大差がない仕上がりで、費用だけがかかりました・・・。
※ご注意 : 森の中の道の画像はハメコミ合成です。
アマチュア憧れの中判カメラ
デジタルカメラ時代になり、フルサイズのハイエンドカメラに憧れたように、中判や大判カメラに憧れました。
特に風景を撮る方は圧倒的な画質で撮れるので、いつかは中判・・と思いながら腕を磨いていたと思います。
Rawで撮ればなんとかなるデジカメと違って、仕上がりが見えない中で、露出をばっちりと決めないといけないので、腕を上げる必要があったのですね。
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